3.加工道具と作業手順


さて作り始める前に型紙を作っておこう、切り出す鋼材そのものの型をコピーし、
要らない下敷きなどに貼り付けて切り取り、鋼材に貼り付けてケガキ(鋼の針で板材に傷を付けてしるしにする)を
行った、この鋼材は黒皮(工場出荷の鋼材の表面に付いている酸化皮膜)付きだったので本来は
紙やすりを板に貼り付けるなどして落す必要性があるが、後回しにしてしまった
通常売っている多くの素材は表面がフライスで磨かれているので少し研磨すれば直ぐ使える。
その場合マジックなどで鋼材を塗りつぶしてからケガキを行い線が見え易いようにする。
まぁとにかく使い捨ての型紙(今回使っているのは本当にただの紙を直接貼り付け)なので気にしないでおこう(爆)

この後鋼材に沿ってドリルで穴を空けたりノコで切断したりヤスリで削ったりするわけなので
まずは大雑把な道具を紹介していきます



ヤスリ(金やすり)

\1500〜2000程で販売されているニコルソンヤスリ。殆どの金属を効率よく加工できるので、とても優秀

ええ、必需品ですとも、コレが無くっちゃ作れない位なので楽をしたければ良い物を使いましょう
\100円やすり・・・・きっと何時かは削れるでしょう、お勧めはしませんが
\5〜600のヤスリ・・・私も最初の頃はコレで作ったんでした、でも粗目、中目、細目も要るんですよね
\2000のヤスリ・・・コレがオススメのニコルソンやすり!マジカットという刃の付け方で万能
           重切削から軽い力で削ると細目の如く綺麗に削れますのでいつもコレ一本で作っています
           とても良く切れるので作るのも楽です。



ヤスリ(その他


小さめの平ヤスリや丸、半丸
掃除の為に使っている真鍮ブラシ等
外形を整え、ブレイドを作る為にも、使用します。
また、ハンドル材などの重切削に使用するノコヤスリ等も・・・
勿論使う、使わないはそれぞれ有りますが。
ホームセンターで購入した組やすりセット\980-
10種類揃って細かい細工に使用しています、
切削量は少ない細目のヤスリです。
主にヒルト(刀で言うところの鍔の部分)の加工などで使用します





ケガキ針

ホームセンターで購入したペンタイプのケガキ針\900-
先端ユニットが交換可能で、ハイス鋼の物と、超硬があります
鍛造品の鋼やハイス鋼の製品など様々なタイプが有ります。

600円ほどから売られています、他の刃物で代用も可能ですが金属加工するなら有った方が良いでしょう
私が使っているのはプラスティックのペンシルタイプで先端が交換できる超硬チップ品です。



ポンチ
主にドリルなどで穴あけを行う前にドリルの刃が逃げていかないよう窪みをつける物
金属加工するなら必需品でしょう。



ボール盤/ハンドドリル

ボール盤、拘らなければ最近は\5000程度から手に入るようになりました、
家のも5000円ですが、必要なのは「Vベルトで駆動し、
13mmまで掴めるチャックを装備していること」です
それ以下の小さなものでは鋼材に対して通用しないらしいのです
写真の物は350Wの卓上サイズで一人で持ち上げられる程度の重量。

一番多くあるのは手に持って使えるハンドドリルですね、木材加工などでも使いますし・・・
ただ、手に持って使用する以上正確な穴あけは困難で、硬い鋼材に穴を空けるのには不向きです。
でもボール盤入手前はコレで穴あけして切り出してたんですよね(^^;)




ドリル

主に使う3mmドリル、250円〜。
写真右上からハイス鋼、コバルト、チタンコートの各ドリルです
オススメはコバルトですが高価なので、刃が立つのならハイス数本でも構いません。
コストパフォーマンス考えたらやっぱりコバルトか・・・
アルミなどの加工も多くやっていたので3mm纏め買いの袋もありました(写真左)(ハイス鋼のです)

鉄鋼ドリルか、出来ればコバルトドリルを数本必要です
薄く加工性の良い鋼材で小さめのナイフならドリル1本でも行けますが
今回の鋼材はATSで楽になっているとはいえ硬いZDPなので最低でも3本以上は用意しておきましょう
オイルを挿しつつ切れ味が悪くなってきたら早めに刃を交換した方が良いです
刃が折れて鋼材に残ると厄介ですので。



金ノコ

主に使うのは弓ノコと呼ばれる物で金属製のフレームに一本物のノコ刃を取り付けて使用します
ステンレス用の刃を使い、ドリルの穴を繋ぐように切り進めて使いますが、基本的に直線方向にしか切れません。
写真上はアルミ用の刃を、下はステンレス用の刃を付けて有りますがどちらも規格品なので交換可能です。
ステンレス用刃は\450-2本入りを購入。
糸鋸タイプの物も有りますがステンレスなどの切削には向かず、細工向けなのでヒルトの加工などに使います
市販のヒルトも有るので無理に用意する必要はありません
写真左はトルネードソー(商品名)\1000位。
軽合金、木、プラスティックを自由に切ることの出来るタイプで、ワイヤーの全周が刃に成っています。
写真右は細い刃を穴に通してから本体に組み付けるなどして切削する細工用ノコギリ\2000-
無理な力を掛けると直ぐに折れてしまうので慎重に使う必要があります。
差込式のヒルトなどの製作に使います。







ベルトグラインダー
本職や一般のかなり作る人だと40万位する機械を持っていますがそんな物買えるわけが無いので
通常はヤスリで作業します、ただ、それが面倒な場合は1万円ぐらいの安価なベルトグラインダーもあります
少し手を加えるなどすると十分ブレイドの削りだしに使えるので便利です。
今回はHPの為にヤスリ掛けで作業したので殆ど使いませんでしたが。



ディスクグラインダー(サンダー)
円形の砥石を高速回転させて削る道具、手に持って切断などの作業に使うサンダーと
卓上などに置いて使うグラインダーの二種類がある
これらでもブレイドの加工は可能だが綺麗には行かないのでお勧めしない



バイス(万力)、クランプ

赤いのは机に穴を開け、ボルト四本で固定しているバイス
ホームセンターで\980の安物・・・もっと良い物を買うべきでした。
右上のクランプは2個ぐらい買っておきましょう、
一つ400円位だったと思います。
右下は以前使っていた小さめのクランプバイス、
机などにクランプして使用するため一般家庭向け。
価格は\1000以下で手に入る物が殆ど。

作業対象を固定する為の必需品、しっかりした作業机があるならクランプだけでも大丈夫です
加工の基本は固定からなので絶対に必要です



オイルストーン(油砥石)

写真上から、
ホームセンターで購入した標準的な油砥石、
旋盤のバイトや作業ナイフ、ドリル等の研ぎなおしに使用している物。
・中央の赤い物
ナイフ用のハード#180砥石、買ってみたが余使っていない・・・
ヤスリ掛けした後の初期段階で研磨する為に購入。
・下段の灰色の物
ソフト#600砥石、標準オイルストーン→紙やすり#400以降で使用、
中仕上げで使っている物で、減りが早い。
\1000位

ヤスリを掛けたブレイドを研磨するのに使います、ホームセンターで600円ぐらい
平面を出す為に削るので水砥石でもかまいませんが、錆びる場合があるので油を使っています。
金やすりの目を消したり、完成したナイフの研ぎにも使用できます



紙やすり
オススメは3M製の耐水ペーパー
ブレイドの研磨でよく使うのは#240〜#800、仕上げによっては#2000番まで磨くこともあるようですが
鏡面仕上げは嫌いなので大抵は#1000位まで出終わらせています。
今回は#1200まで研磨し、焼入れ後に#800でヘアライン仕上げにする予定。
1枚80円〜



ベベルストッパー(治具)

写真は自作品、S45C製で焼入れ無し。
8X12の角棒材を揃えて適当な長さに切断し、
6mmボルトで締め付けられるように製作した。

ブレイドのヤスリ掛けの際、ヤスリが滑って他の場所を傷つけないようにする為のストッパー
市販もあるがその辺の材料で簡単に作ることも出来る
左右対称に綺麗に作る為に必要、市販は鋼に軽く焼入れした物でほぼ同形状の物が¥3000位する。
簡単なので自作をオススメします。




エッジラインマーカー

写真は自作品(別途記載予定)
丸棒材に加工を施し、針を取り付けた物
(ここでは折れた超硬ドリルを加工して利用しています)
上記の品を鉄のブロック(真鍮でも可)に差込、
側面からボルトで固定できるようにした。
高さを調整して使用する。

ブレイドのセンターラインを書く道具、自作した物だが少々難しいので市販もあるが高い。
コピー紙などを重ねてブレイドを置き、高さを合わせてケガキ針等で書く方法もある。

大体こんなところです、取り敢えず最低必要なのはドリル、ヤスリ、ノコギリ、クランプの四つです。


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