28.シース本体の縫いつけ



さて、いよいよ本体の縫い付けです。
前回までに外形は整えてあるので、外形から適当な間隔を空けて縫い穴を空ける場所のラインをケガキます、
使用したのは「デバインダー」(簡易型)と呼ばれる道具でコンパスに似た形です(\450程度)
文房具のコンパスに先端の丸まった棒を取り付けて代用することも可能だと思います
革細工は特殊な器具は無くても代用で加工できるのが便利ですね。



今度はラインに沿って等間隔に穴あけポイントを書いていきます
使用したのは四つ目菱針・・・フォークでも良かったなぁ・・・・
コレは手芸用の市販品で、シースのような分厚い革を加工することを考えていないのでしょうがないんですが・・・



写真の後ろに有る革が今回使用したもの(2枚重ね)
四つ目だと精々一枚まで、一つ目でも二枚が限度。
三枚やろうとしてもこの針では汚い穴に成ってしまいます、、、ナイフ屋さんで売っている針はロングに作った物なので
どちらでも使用が出来ますが、特注品なので単価がかなり高いです。



そこで穴あけの針も代用品です、写真の物は木工用の四つ目キリ(四角形)
ホームセンターで\200も出せば手に入ります。
この状態でそのまま使うと、回しながら押し込む為に角の部分で繊維を削ってしまいますし
表面が粗いため抜くときに引っかかります。



そこでオイルストーンなどを使用し、四角の各角を丸め、表面のザラツキも磨いておきます
炭素鋼なのでとても研ぎやすく、簡単に加工できるのでオススメします。



普通なら手で回しながら推し進めて穴を空けるんですが、面倒だったので(ぉ
針だけ抜き出し、ボール盤で可能な限り低速回転に設定して穴を空けました。
四角錐(八角錘?)なので内部で穴はテーパー状に成ります
貫通程度まで進んだら後でひっくり返してもう一度キリを通して穴を成型しておきましょう。
*ボール盤などを使用する際、四角錐であって六角や丸ではない為、チャックに咥えて回すと
変心して回ることを念頭に置いて下さい、後端を加工するか変心するのを調整して使うかは自己判断です
手作業が基本ですが・・・・・
*穴のラインに糸を埋める為の溝をヘラなどで押し付けるように付けて置くべきだったかもです



今度は三枚の厚身がある為糸は8〜9倍の長さにしてみました、
長ーい糸なので絡まないように注意、縫い方はベルトループと同じく「8の字縫い」



ナイフの出入り口から縫い始めました、一番左からではなく、写真に振ってある番号の順で
三つほど先の穴から一度戻ってから先端に向かっていくように縫います。
肝心な部分なので一針ごとにしっかり糸を締めて先端まで塗っていきます。



先端まで縫ったら始と同じように2〜3針戻ってしっかり引き締めて根本で糸を切断します
他の糸を切断しないように注意。



全て縫い終ったら縫い目を木槌で叩き、革の繊維を締めて糸が抜けないようにします
こうすることでガッシリしたシースが出来上がります。




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